気温や気候の生活変化が多い春は、自律神経の乱れから体調を崩しやすい季節です。
みけぽん
春は猫が苦手な季節!
環境の変化が苦手な猫にとって、引越しなどの環境の変化はもちろん、飼い主さんのちょっとした生活リズムの変化すらもストレスになり得ます。
そこで今回は、春に起こりがちなストレスの原因や不調のサイン、ストレスから猫を守る対処法について解説します。
猫は春が苦手!猫の「春ストレス」
冬の終わりを迎え、ポカポカと過ごしやすい陽気が続く春。
一方で、引越しや就職などが多い季節でもあり、環境の変化が苦手な猫にとってはストレスを感じやすい季節でもあります。
まずは、春に気をつけるべき、ストレスの原因についてみていきましょう。
原因①環境の変化
4月は新たに仕事や学校が始まり、卒業や入学、入社などのイベントが重なりやすい時期です。
それに伴い、生活リズムの変化・家族の引越しといった環境の変化が猫のストレスになることも。
部屋の模様替えや新しい家具を設置しただけでも「環境が変わった!」と思ってストレスに感じる猫ちゃんもいるので、変化が多い時期はこまめに様子をチェックしてあげてくださいね。
原因②発情期
猫の発情期には個体差もありますが、一般的には1年に2〜3回訪れます。
とくに、子育てがしやすい春や夏にかけての期間は発情のピークを迎えることが多く、交尾相手がいない猫にとっては心身ともにストレスになりやすいです。
避妊・去勢手術を行なっている猫や完全室内飼いの猫でも、発情中の野良猫の大きな鳴き声を聞いて不安を感じることも。
また、家の周りに野良猫が近づくと「自分の縄張りに侵入者がいる!」と思い、ストレスを感じる猫もいるため、その場合は愛猫が安心して過ごせる環境づくりを心がけましょう。
飼い主
野良猫が見える場所のカーテンを閉めたり、野良猫対策グッズを活用したりして、野良猫が愛猫の目に触れる機会を減らしてみよう!
原因③気圧や気温の変化
猫は自分で体温調節をするのが苦手な動物です。
春は、朝晩の気温差が激しく、気圧の変動も大きいため猫も自律神経が乱れ、猫も体調を崩しやすくなります。
寒暖差の激しい春は、くしゃみや咳などの症状が現れる「猫カゼ」やストレスが原因で発症する「特発性膀胱炎」などの病気に注意しましょう。
ひげちゃん
室内飼いの猫に多くみられる膀胱炎。
おしっこの量や回数を把握し、トイレはいつも清潔に保ってね!
原因④花粉症などのアレルギー
春先はスギやヒノキ科の花粉がピークを迎え、花粉症に悩まされている飼い主さんも多いことでしょう。
そんな花粉によるアレルギーは、人間だけでなく猫にも起こります。
猫の花粉症の症状
- 皮膚の発疹
- 痒みや一部被毛の脱毛
- 頻繁に体を舐める
- 目をかく
- くしゃみ
- 鼻水
- 咳 など
猫の花粉症でとくに多くみられる症状は、皮膚の痒みや発疹などの肌トラブルです。
症状が出た部分をしつこく舐めたり、掻いたりすることで炎症が広がり、悪化してしまうこともあるため早めに治療してあげることが大切です。
また、春はノミやダニなどの寄生虫も活発になります。
ノミやダニに刺された場合、痒みや皮膚の炎症だけでなく、感染症にもなりかねません。
愛猫の健康を守るためにも、定期的にノミ・ダニの予防を行いましょう。
飼い主
製品によって異なりますが、ノミ・ダニの予防薬の滴下頻度は1ヶ月に1回、通年予防が基本だよ!
「春ストレス」からくる猫の4つの不調のサイン
人間と同じように、猫も長期間ストレスがかかった状況が続くと、健康トラブルや行動に変化が現れます。
ストレスをそのまま放っておくと、免疫機能が低下し病気にかかりやすくなることも。
愛猫の健康状態や行動を観察し、次にご紹介する不調のサインが現れていないかチェックしましょう。
不調のサイン①粗相する
トイレが気に入らないときや汚れているときに多くみられる猫の粗相ですが、強い不安やストレスを抱えたときもトイレを失敗してしまうことがあります。
- 引越しや模様替えでトイレの配置を変えた
- 騒音が聞こえる
- 知らない人が出入りする
など、猫にとってストレスとなる要因がないか、一度チェックしましょう。
一度粗相してしまうと、同じ場所で何度も繰り返すようになってしまいますので、掃除や除菌を徹底するなどの注意が必要です。
不調のサイン②食欲不振
不安やストレスから、ごはんをあまり食べなくなってしまうことも。
普段よりも食べる量が少なかったり、水をあまり飲まなかったりする場合は、ストレスが原因かもしれません。
引越しなどの一時的なストレスで、すぐに食欲が戻れば問題ないですが、食欲不振が長く続く場合は病気の可能性もあるため、早めに動物病院を受診しましょう。
不調のサイン③過剰な毛づくろい
長時間同じ場所を舐め続けていたり、執拗に毛づくろいしていたりする場合も注意が必要です。
猫の毛づくろいには、ニオイや汚れを取り除き、毛玉や皮膚病から身体を守るなどの理由がありますが、気持ちを落ち着かせるための行為でもあります。
そのため、何らかのストレスが原因で同じ場所を舐め続けて、脱毛などの症状が現れてしまうことも。
猫が安心して過ごせる場所を作ったり、トイレや食事を見直したりして、生活環境を見直してみましょう。
不調のサイン④寝る時間が増えた
猫はもともと睡眠時間の長い動物ですが、慢性的にストレス状態が続くと人間と同じように「うつ」や「不安症」のような症状が現れ、活動量が減少することがあります。
食事や遊ぶ時間になっても寝ている、部屋の隅でじっとしたまま動かないといった様子が数日間続くようであれば、動物病院で相談しましょう。
「春ストレス」から猫を守る4つの対策
気候・気温の変化や引っ越し・新生活による生活環境の変化など、春は猫にとって多くのことがストレスになり得ます。
最後に、これらの「春ストレス」から愛猫を守るために、飼い主さんにできることを見ていきましょう。
対策①スキンシップを取る
飼い主さんの就職や入学、引っ越しなどに伴い、愛猫と触れ合う時間が短くなり、猫は寂しさを感じているかもしれません。
飼い主さんに構ってもらえないと、過度な毛づくろいや毛布などを食べてしまうウールサッキング、粗相の原因になることも。
1日15〜30分程度、おもちゃで遊んだり撫でたりして猫と触れ合える時間を作りましょう。
対策②キャットタワーなどの高い場所を用意する
猫が高いところを好むのは昔からの習性であり、本能的な行動です。
高いところに登ることで、外敵から身を守ったり、獲物を狙ったりして過ごしていたため、それができない環境は猫にとってストレスになります。
嫌なことがあったとき、外から野良猫の鳴き声が聞こえてきたときなどに、高いとところに逃げることでストレスが軽減されます。
飼い主
キャットタワーやキャットウォークはもちろん、家具を組み合わせてその上に猫用のベッドを置いてあげるのもおすすめだよ!
対策③室温・湿度を適切に保つ
猫種や年齢などによっても異なりますが、猫が快適に過ごせる室温・湿度は、18〜26度前後、湿度は通年50〜60%と言われています。
室温・湿度はできる限り一定に保ち、エアコンや加湿器を活用して飼い主さんがいない時間帯でも快適に過ごせるように工夫しましょう。
対策④トイレを見直す
猫はきれい好きな動物なので、トイレが汚れたままにしておくと粗相や膀胱炎などの病気になりやすくなります。
排泄物は毎日処理し、1〜2週間を目安に猫砂の全量交換を行いましょう。
また、部屋の広さによっても異なりますが、猫トイレの数は頭数×2個用意するのがよいと言われています。
多頭飼いの場合は、先住猫を尊重しつつ、その子にあった猫砂やトイレ、置き場所などの環境を整えてあげましょう。
まとめ
春は、入社や移動、転勤など新たな生活が始まる季節です。
そんな新生活のスタートに伴い、飼い主さんの生活リズムの変化やちょっとした変化を猫は敏感に感じ取ってしまいます。
そうしたちょっとした変化が猫にとってストレスとなり、健康トラブルを起こしやすい季節です。
春はいつも以上に猫の健康や行動を気にかけ、なるべく安心して過ごせる環境を作ってあげましょう。
猫に少しでも異変があった場合はすぐに動物病院へ。愛猫と楽しく明るい新生活を過ごせるよう、素敵な春をお迎えください(^-^)
– キャトヘルスアドバイザー
– 猫の健康管理インストラクター
– 保護猫歴10年
– 2匹の保護猫と暮らす
猫と飼い主さんにとって快適な暮らし、愛猫といつまでも楽しく暮らすための知識を得るサポートをします。