猫の背中や頭を撫でていると白い粉のようなものを見かけることはありませんか?

実は、猫も人間と同じようにフケが出ることがあります。

少量である場合や一時的なものであれば問題ない場合がほとんどですが、フケの量が増えたり皮膚にかさぶたがあったりする場合は病気のサインかもしれません。

そこで今回は、猫のフケの原因や対処法、動物病院に連れて行くタイミングなどについてご紹介。

蒸しタオルやフケ取りブラシでケアする方法についても解説するので、ぜひご覧くださいね。

猫のフケについて

  猫のフケについて

猫のフケは、古くなって剥がれ落ちた皮膚の角質です。

猫の皮膚の構造は、外側から「表皮」「真皮」「皮下組織」に3つに分類されており、外側の表皮は下から上に向かって成長し、角質層として剥がれ落ちます。

みけぽん

この剥がれ落ちた角質が「フケ」なんだね!

猫の皮膚のターンオーバーは、約3週間のの周期で繰り返されます。

正常なフケと異常なフケの見分け方

正常なフケ

  • 一時的なもの
  • 少量

このようなフケの場合は、生理的な現象であり問題のない場合がほとんどです。

猫はこまめに毛づくろいする動物なので、フケが過剰に目立つことはあまりないでしょう。

異常なフケ

  • 歩くだけで大量のフケが落ちる
  • 毛の付け根にフケが溜まっている
  • 抜け毛や皮膚の炎症がある
  • フケがベタベタしている など

しかし、上記のような場合は異常事態です。

いつもと違った様子や量のふけが出ていないか、執拗に身体を掻いていないかなど、猫の体調を注意深く観察し、異常がある場合は動物病院に相談しましょう。

猫のフケの原因

  猫のフケの原因

先述の通り、健康な皮膚であっても3週間経つと新しい皮膚に生まれ変わり、古い角質がフケとなって剥がれ落ちます。

しかし、一般的その量は多くなく、皮膚に赤みや炎症ができていない状態が正常です。

「普段よりフケがたくさん出ている」「皮膚に炎症や痒みがある」といった場合は、皮膚の異常やトラブルが原因かもしれません。

ここでは、猫のフケがたくさん出る場合の原因について解説します。

毛づくろい不足

少量のフケであれば、毛づくろいだけで十分にケアすることができます。

「いつもよりフケが目立っている気がする」と感じたら、毛づくろいの頻度が減っているかもしれません。

毛づくろいの頻度が減る原因

  • 肥満
  • 加齢
  • 病気の可能性 など

また、口内や関節に痛みがある場合も毛づくろいの頻度が減る傾向にあります。

とくに、シニア猫の場合は病気な度で身体が弱っている場合もありますので、早めに獣医師さんに相談しましょう。

ストレス

猫は極度の緊張や恐怖、ストレスを感じると、過剰にフケが出ることがあります。

中には、動物病院を受診したときに、極度の緊張から診察台にフケが散らばることも。

これは一時的なものなので、蒸しタオルなどで身体を優しく拭いてあげると元通りになります。

乾燥

皮膚の角質の表面には脂分があり、角質が剥がれにくくする効果があります。

脂分が乾燥すると、角質が剥がれやすくなり、フケの原因になるだけでなく皮膚のバリア機能も低下します。

空気が乾燥する冬はもちろん、エアコンの風を受ける夏も乾燥しやすいので、加湿器を活用してお部屋の湿度を適切に保つことが大切です。

猫に適切な湿度は、50〜60%と言われています。

栄養不足

栄養状態が悪くなると、以下のような変化が現れることがあります。

総合栄養食でバランスの良い食事を与えている場合は栄養不足に陥ることは少ないですが「一般食(副食)やおやつばかり与えている」「病気などで食欲が落ちている」といった状況が続くと、皮膚の健康が保てなくなります。

アレルギーなど、愛猫の体質に合わないフードを与えている場合も同様です。

過剰なケア

飼い主さんの過剰なケアが原因で、フケが増えすぎるケースもあります。

角質が取れ過ぎてしまうと、皮膚のターンオーバーのサイクルが早くなり過ぎてしまい、フケと同時に被毛も薄くなってしまいます。

ブラッシングの頻度

長毛種
・・・1日1〜2回

短毛種
・・・週2〜3回

ブラッシングは、猫が落ち着いているときに3分程度で終わらせるのがおすすめです。

猫のフケが出たときの対策

  猫のフケが出たときの対策

猫のフケは日常的にケアすることで、ある程度の改善が見込めます。

アレルギーや感染症などが疑われる場合には、早めに動物病院を受診しましょう。

病気以外の対処法としては、適度な水分・脂分の保持や皮膚を衛生的に保つことなどが大切です。

次に、自宅でできるフケの対策方法をチェックしてみましょう。

シャンプー

基本的に、猫は自分で毛づくろいをするため、お風呂に入れる必要はないと言われています。

しかし、長毛種、毛づくろいをしない子や外に出る機会が多い子、皮脂の分泌が多い子などは飼い主さんによるケアが大切です。

お風呂に入るのが苦手な猫ちゃんの場合は、水に濡らさない「ドライシャンプー」がおすすめ。

ドライシャンプーを選ぶときは、無香料のものや猫が舐めてしまっても平気な成分を使用したものを選ぶようにしましょう。

フケ取りブラシ

長毛種はグルーミングを十分にできないため、毛玉やフケが出やすいので定期的なブラッシングが必要です。

しかし、硬いブラシや先の尖ったブラシは、皮膚に過度な刺激を与えてしまうため逆効果になることも。

猫の毛の長さに合ったラバーブラシや先が丸くなったブラシなどを選び、なるべく刺激が少ないものを選ぶようにしましょう。

蒸しタオルで保湿する

シャンプーやブラッシングが苦手な猫におすすめなのが、蒸しタオルで保湿する方法です。

用意するもの

  • 保湿効果がある猫用シャンプーやリンス
  • 蒸しタオルorガーゼ
    (約40°のお湯に濡らして軽く絞る)

手順としては、保湿効果がある猫用シャンプーやリンスを蒸しタオルに馴染ませ、全身を優しく拭きます。

濡れた被毛は、ドライヤーや乾いたタオルで拭き取りましょう。

猫の被毛は乾きにくく、濡れたままにしておくと身体が急激に冷え、体温の低下やケアを嫌がるようになってしまうこともあるためしっかり乾かしてくださいね。

サプリメントを活用する

猫の皮膚の健康維持に必要な栄養素が含まれたサプリメントを活用するのもよいでしょう。

サプリメントでは、不足しがちなビタミンやミネラル、必須脂肪酸などの栄養素を補うこともできます。

生活環境を整える

先述の通り、極度の緊張や恐怖、ストレスが原因でフケが過剰に出てしまうこともあります。

など、猫にストレスがかからない環境作りを心がけましょう。

とくに、猫は環境の変化が苦手な動物です。

「引越しをした」「模様替えをした」などの変化は、猫のストレスになりやすいので、安心して過ごせる場所を用意するなどのケアを行いましょう。

食生活の改善

食べ物に含まれるタンパク質やハウスダスト、花粉、ノミ、ダニなどのアレルギーが原因で皮膚炎が生じている場合もあります。

アレルギーによって皮膚炎が生じると、フケだけでなく湿疹や痒みなどの症状が現れることも。

また、アレルギーではなくてもフードが猫の体質にあっていない可能性もあるため、ストレスや病気などが原因でない場合はフードを変えてみるのもひとつの方法です。

飼い主

手作りごはんは、正しい知識がないと栄養バランスが崩れやすいから要注意!

動物病院に連れて行くタイミング

  動物病院に連れて行くタイミング

フケを見つけても、このまま放っておいてもよいものか、動物病院を受診するべきか、飼い主さんだけで判断するのは難しいですよね。

猫は、病気や痛みを隠す傾向にあるため、少しでも異変がある場合は動物病院を受診しましょう。

こんなときはすぐに動物病院へ!

  • 痒みや炎症などの別の症状がある
  • 毛ヅヤが悪い
  • シャンプーやブラシをしてもフケが出る
  • フードを変えてもフケが出る
  • 部分的にフケが出る
  • フケがベタベタしている
  • 元気がない

かさぶたができている場合は要注意!

怪我の形跡がないのに猫の皮膚にかさぶたができている場合は要注意。

かさぶたの部分が大きくなったり黄色味や緑を帯びていたら、何らかの病気のサインかもしれません。

猫に多い「扁平上皮癌」の場合、かさぶたやフケ、皮膚のただれなどの症状が見られます。

猫にかさぶたが見られる場合は、様子を見ず動物病院を受診し、病気の早期発見・治療を心がけましょう。

まとめ

まとめ

フケの量が少なく、一時的なものであれば大きな問題はないでしょう。

しかし、フケ以外にも気になる症状がある場合は病気が隠れている可能性もあるため早めに動物病院へ。

そして、日常的にストレスのない生活環境や栄養バランスが整った食生活、ブラッシングやシャンプーなどのケアを心がけて愛猫の健康をサポートしていきましょう!