猫と一緒に暮らす上で欠かせない「猫トイレの掃除」。
猫は綺麗好きな動物で、トイレが汚れていると排泄を我慢してしまい、健康に悪影響を与えることも。
そこで今回は、排泄物の処分、猫砂の入れ替え、猫トイレ本体を洗う頻度について詳しくご紹介します。
猫トイレ本体の洗い方やニオイ対策についても解説するので、猫トイレの掃除にお悩みの飼い主さんはぜひご覧くださいね!
猫のトイレ掃除の基礎知識
皆さんはどのくらいの頻度で猫トイレを掃除していますか?
猫トイレは排泄物の処分だけでなく、猫砂の入れ替えや猫トイレ本体の掃除などさまざまな部分を清潔に保たなければいけません。
まずは、猫トイレの1日の掃除頻度、猫砂の交換頻度、トイレ本体の掃除の頻度について解説します。
猫トイレの1日の掃除頻度【1日1〜2回】
個体差もありますが、猫は1日平均2〜4回の排尿、1日1回の便をすると言われています。(※)
猫トイレの1日の掃除頻度は、最低でも1〜2回、できれば排泄をしたタイミングで排泄物と汚れた砂を取り除くのが望ましいです。
こまめに掃除することで、雑菌が繁殖しにくく、ニオイも抑えることができます。
※参照:KAO 猫のよくあるご相談
猫砂の交換【1ヶ月1〜2回】
猫砂は定期的な全量入れ替えが必要です。
飼い主
排泄物もこまめに取り除いてるし、砂を足しただけじゃダメなの?
みけぽん
見た目はキレイでも、排泄物の飛び散りやニオイ菌が付着しているにゃ!
具体的な交換頻度は、1ヶ月1〜2回程度と言われていますが、猫砂の種類や猫の飼育頭数、季節などによって異なります。
夏や梅雨時期は湿気でニオイがキツくなりやすいですし、多頭飼いの場合は排泄物や汚れが溜まりやすいので、猫砂のニオイや汚れを確認しながら全替えしましょう。
システムトイレの場合は?
システムトイレは、システムトイレ用の猫砂と吸水シートを使用します。
猫砂の交換頻度
・・・1ヶ月に1回程度
吸水シートの交換頻度
・・・1匹なら週1回、2匹なら3日に1回程度
システムトイレ用の猫砂は、一般的な猫砂とは異なり、尿をはじく構造になっているので汚れにくいのが特徴です。
そのため、オシッコのたびに砂を取り除く必要はありません。
しかし、ウンチに付着した猫砂は一緒に捨てるため、猫砂が少なくなったら継ぎ足しましょう。
飼い主
猫砂を全替えするタイミングで、本体も掃除しよう!
トイレ本体の掃除【1ヶ月1〜2回】
トイレ本体の掃除は、月に1〜2回程度が理想です。
猫砂を入れ替えるタイミングでトイレ容器を丸洗いしましょう。
猫トイレは砂だけでなく、容器の側面や底部分も、排泄物の飛び散りなどによる汚れや菌が付着しやすいです。
ほかのトイレよりも手間がかかりにくいシステムトイレの場合でも、スノコやトレーの部分が汚れているため1ヶ月に1回は本体も掃除しましょう。
猫トイレの掃除方法は?
先述の通り、猫トイレの本体は月に1〜2回のペースで丸洗いするのが理想です。
飼い主
とはいっても、猫トイレってどうやって洗えばいいの?水洗いだけだとニオイ残るんだよね…
スーパーや100円ショップで手軽に買える「アレ」を使えば、ニオイも汚れも簡単に落とせるにゃ!
手順①猫砂を袋に移す
まずは、猫トイレに入っている猫砂を全て袋に移しましょう。
猫砂を戻して再利用する場合は、一度排泄物をキレイに取り除いてから袋に移します。
猫砂の交換とトイレ容器の掃除を同時に行う場合は袋に入れ、お住まいの自治体のルールに従って処分しましょう。
猫砂を処分するときは、ペット用のニオイが出にくい袋を使うのがおすすめです。
手順②トイレ本体にお湯を注ぐ
次に、猫トイレの本体にお湯を入れて汚れを浮かせます。
殺菌力を高めるために熱湯を注ぎたいところですが、猫トイレは基本的にプラスチックでできており、熱に弱いので40度程度のお湯を注ぎましょう。
手順③お湯にクエン酸を入れて30分ほどつけおきする
猫トイレの本体にお湯を張ったら、次にクエン酸を入れて30分ほど付け置きします。
クエン酸は、お湯200mlに対して小さじ1程度でよいでしょう。
猫トイレの掃除に使えない洗剤
- 石鹸
- 中性洗剤
- お風呂掃除洗剤
- トイレ用洗剤
- ボディーソープ
- ハンドソープ
- シャンプー
- 洗濯用洗剤
- 塩素系漂白剤 など
人間用の洗剤は添加物や香料が含まれていることが多いので、猫のトイレ掃除には使わないようにしましょう。
とくに、猫は嗅覚が優れているため、猫トイレに香料の香りがついているとトイレを使わなくなることも。
洗剤を使って洗うときは、猫トイレ用の洗剤を使うことをおすすめします。
手順④お湯を捨ててブラシやスポンジで洗う
付け置きである程度汚れが浮いてきたら、お湯を捨てて、洗剤(または、クエン酸や重曹)を使ってブラシやスポンジで残りの汚れを取り除きましょう。
先述の通り、洗剤を使う場合は猫トイレ用の洗剤を使用し、なければクエン酸や重曹で代用できます。
重曹
- 消臭効果
- 粒子が細かく研磨剤としても活用できる
自然界にある優しい成分でできているため、環境にも優しく人や猫にも安心して使えます。
猫トイレのニオイ対策は?
猫トイレは、汚れだけでなくニオイも気になりますよね。
とくに、リビングなどの生活環境に猫トイレを設置している場合、部屋全体にニオイが漂ってしまうことも。
ここでは、猫トイレのニオイ対策に効果的な方法を3つご紹介します。
ペット用の消臭剤を使う
猫トイレのニオイを軽減するためには、ペット用の消臭剤やクエン酸が効果的です。
消臭剤を使用するときは、必ずペット用のものを選び安全性が確認されている天然成分のものを選ぶと安心。
人間用の消臭剤は、アロマなどの猫にとって有害な成分が含まれていることが多いため、使用は控えましょう。
猫砂にクエン酸を混ぜる
猫砂の上からクエン酸を撒いたり、システムトイレのトイレシーツの上に撒いたりするのも効果的です。
猫砂にクエン酸を活用する場合は、掃除用のものではなく食品グレードで、猫が口にしても安全なものを使用しましょう。
ただし、クエン酸はレモンなどに含まれる「酸」であり、猫によっては嫌がることも。
クエン酸のニオイを嫌がって、粗相やトイレを我慢してしまう可能性もあります。
クエン酸をトイレに混ぜるときは、少量からスタートし猫の様子を見ながら徐々に増やしていくのがおすすめです。
空気清浄機や脱臭機を置く
猫トイレを設置している空間に、空気清浄機や脱臭機を置くのもひとつの方法です。
空気清浄機
- ニオイだけでなく空気もキレイにする
- ほこりや花粉、ハウスダストの除去
- 加湿機能や除菌機能付きなど多機能な製品が多い
脱臭機
- 強力なニオイも除去する高い脱臭効果
- アンモニア臭に強い製品がある
空気清浄機と脱臭機の主な違いは、ほこりや花粉、ハウスダストなどを除去するかしないかです。
ニオイだけでなく空気も一緒にキレイにしたい方は空気清浄機、ニオイだけ除去できればOKという方は脱臭機がおすすめです。
猫トイレの掃除をサボると?
飼い主が猫トイレの掃除をサボってしまうと、猫にどのような影響を与えてしまうのでしょうか?
ひげちゃん
猫トイレの掃除をサボると、猫だけでなく人間にも影響が出ることがあるにゃ!
トイレを我慢する
猫は基本的に、綺麗好きな動物です。
猫トイレの掃除をサボると、トイレが不衛生になり、猫がトイレを我慢してしまうことがあります。
猫がトイレを我慢すると、膀胱炎などの病気の原因や長時間尿を体内に留めておくことで尿路感染症、尿路結石になるリスクも高まるため要注意。
とくに、オス猫は尿道が細長くカーブ状になっている部分があり、先端も細いので結石が詰まりやすく、尿路結石になったときにメス猫よりも重症化しやすい傾向にあります。
猫は泌尿器系の病気にかかりやすいので、病気を防ぐためにも猫トイレは清潔に保ちましょう。
粗相が増える
猫が粗相をする場合は「トイレを気に入っていない(または、合わない)」とこや「トイレが汚れている」ことが関係しているかもしれません。
猫がトイレしてすぐに走り出したり、砂をかけずに放置したりする場合はトイレ環境に不満がある可能性も。
猫のおしっこはニオイが強く、残りやすいので粗相を繰り返してしまうこともあります。
猫トイレはなるべくこまめに掃除し、猫の好みに合ったトイレ環境を用意してあげましょう。
以下の記事では「猫に優しい猫砂」について詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね!
感染症のリスク
猫のうんちやおしっこには、寄生虫やウイルス、細菌などが含まれており、これらの病原体が人間に感染することもあります。
猫のうんちやおしっこから人間に感染する感染症は、以下の通りです。
- トキソプラズマ症
- 実条虫症
- 猫回虫
- Q熱
- サルモネラ症
- コリネバクテリウム・ウルセランス感染症 など
動物から猫に感染する病気を「人獣共通感染症」と言い、幼児やお年寄り、妊婦に感染した場合は重症化する可能性があり、とくに注意が必要です。
猫のトイレを清潔に保つことは、猫だけでなく飼い主の健康を守ることにもつながります。
猫のトイレ掃除に関するQ&A
トイレの周りに砂が飛び散る場合、どうすればよいですか?
- トイレの周りに砂が飛び散る場合、どうすればよいですか?
トイレ周辺にキャッチトレイやマットを引くと砂の飛び散りを抑えるのに効果的です。
猫トイレの砂はどのくらい追加すればいいですか?
- 猫トイレの砂はどのくらい追加すればいいですか?
猫トイレの種類や大きさなどによって異なりますが、一般的には2〜3インチ(約5〜7.5センチ)の深さが最適です。
深すぎると猫が使いにくくなるため、定期的に深さを調整してください。
猫がいる家庭でアロマタイプの消臭剤を使うと、どのような影響がありますか?
- 猫がいる家庭でアロマタイプの消臭剤を使うと、どのような影響がありますか?
猫がいるご家庭でアロマタイプの消臭剤や芳香剤などを使うと、
- アレルギー反応
- 呼吸器への影響
- 嗅覚過敏によるストレス
- 中毒症状
などを引き起こす可能性があります。
重篤な場合、死に至ることもあるため、使用する製品に含まれる成分には注意しましょう。
まとめ
今回は、猫トイレの掃除頻度や洗い方、ニオイの改方法などについて解説しました。
猫は綺麗好きな動物なので、トイレを汚いままにしておくと病気やストレスの原因になってしまうことも。
また、猫の排泄物から人間に移る感染症もあるため、猫トイレは常に清潔に保つ必要があります。
本記事でご紹介した、掃除の頻度や洗い方を参考に、愛猫が快適に使えるトイレを目指しましょう!
こちらの記事もおすすめ!
– キャトヘルスアドバイザー
– 猫の健康管理インストラクター
– 保護猫歴10年
– 2匹の保護猫と暮らす
猫と飼い主さんにとって快適な暮らし、愛猫といつまでも楽しく暮らすための知識を得るサポートをします。