地震や台風、津波など、海外に比べて自然災害が発生しやすい日本。

そして、約100年周期で起こると言われている「南海トラフ巨大地震」は、2035年前後に起こることもわかっており、私たちはより一層災害に対する意識を高めなければいけません。

飼い主

災害が起きていざ避難が必要になったとき、猫がいる家庭ではどのように行動すればいいのだろう?

今回は、愛猫と生き延びるためにできることや避難する前に知っておくべきこと、猫と避難所で過ごす場合の心構えについて解説します。

また、災害発生時に猫が脱走してしまったときの対処法についてもご紹介。

猫と一緒に避難する「同行避難」が原則

  猫と一緒に避難する「同行避難」が原則

ペットを飼っている人は、猫と一緒に避難する「同行避難」が原則です。

環境省や自治体では

などの観点から、ペットと一緒に避難する「同行避難」が推奨されています。

しかし、騒音やアレルギーなどの懸念からペットの受け入れを許可していない避難所が多いのも現状です。

各自治体のホームページで、ペットの同行避難が可能な避難所をあらかじめ確認しておきましょう。

猫と避難所で過ごすときの心構え

  猫と避難所で過ごすときの心構え

飼い主さんにとって愛猫は家族の一員である大切な存在です。

しかし、避難所には動物が苦手な人やアレルギーの人など様々な人が集まります。

マナーを守らないと、避難所にペットが入れなくなるなど、ペットを飼っている飼い主さん全員に迷惑がかかることも。

飼い主としての自覚と責任を持ち、周囲に配慮しながら避難生活を送るようにしましょう。

トイレや抜け毛などに配慮が必要

トイレや抜け毛などに配慮が必要

猫の場合、散歩が必要なく体臭もそれほどキツくないため、つい配慮を怠りがちです。

しかし、猫のトイレは独特なニオイがするため、飼い主さんが思っている以上に周囲の人に迷惑をかけていることも。

猫が排泄したらすぐに片付けるなどの対応を心がけましょう。

周囲の飼い主さんと協力して運営をサポートする

周囲の飼い主さんと協力して運営をサポートする

災害時、避難所では人間の支援が優先されます。

そのため、避難所では猫のごはんが不足したり、ケージがたしなかったりすることも想定されます。

ほかの飼い主さんと協力し、必要なペット用品を共有したり、必要な物資を話し合いSNSなどで呼びかけたり、できることから行いましょう。

避難所でのケアも忘れずに

避難所でのケアも忘れずに

慣れない場所に、猫は強い不安やストレスを感じることでしょう。

そんなとき、猫が唯一安心できるのが「飼い主さんの存在」です。

優しく声をかけたり、名前を呼んだり、撫でてあげたりしてリラックスできる時間を作りましょう。

飼い主

ダンボールなどで、周囲の人やペットからの視線から隠してあげるのも効果的!

避難所におすすめなのが、ごはんやトイレなどのスペースを確保できるポータブルケージ。

猫2匹までなら、比較的ゆったりと過ごすことができるでしょう。

軽い素材で持ち運びもしやすいので、ご家庭にひとつは持っておきたいアイテムですね!

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避難所では必ずハーネスの装着を

避難所では必ずハーネスの装着を

トイレを掃除するときやごはんをあげるときなどに、ケージから飛び出して脱走してしまうことがあります。

飼い主さんは常に油断しないように注意し、ケージの中であってもハーネスを装着させておきましょう。

もし、脱走してしまった場合は、マイクロチップや迷子札があると飼い主さんとの再会の確率を高めてくれます。

避難所以外の選択肢も考えておく

  避難所以外の選択肢も考えておく

自宅の倒壊の恐れがなく、家にいた方が安全な場合は、自宅で避難生活を送ることも可能です。

猫にとっては、知らない人が大勢いる慣れない場所にいるよりかは、自宅の方がストレスなく過ごせることでしょう。

しかし、自宅で避難する場合、避難所に届く支援物資などがなかなか届かないことがあります。

支援がなくてもしばらくは過ごせるように、ごはんや水などは常に貯蓄しておくと安心です。

みけぽん

ごはんは常に多めにストックしておいて、使った分だけ補充しておくと安心だよ!

車中泊の場合は温度管理に気をつけて

車中泊の場合は温度管理に気をつけて

車中泊も避難所よりは猫に負担が少ない避難場所ですが、夏場は気温が上がり熱中症のリスクが高まります。

車を離れる際は、冷房をつけて温度管理に気をつけましょう。

飼い主

飼い主さんは「エコノミー症候群」にならないよう、こまめに運動することを心がけて!

【自宅で猫と一緒に被災した場合】やるべき行動

自宅で猫と一緒に被災した場合

自宅で猫と一緒にいるときに地震が起きた場合、まずは飼い主さんが冷静になることが大切です。

飼い主さんがパニックになったり、激しく動揺したりすると、その様子が猫に伝わり不安になります。

まずは地震発生時、「自宅で猫と一緒に被災した場合」の、飼い主がとるべき行動をご紹介します。

①まずは人は人、猫は猫で身の安全を守る

災害発生時、猫は危険を察知し、野生の本能で部屋の安全な場所に身を隠します。

まずは、飼い主さん自身が怪我をしないよう、テーブルの下に潜って落下物から身を守り、揺れが収まるのをじっと待ちましょう。

猫が心配でも、飼い主さんに何かあれば災害から猫を守ることはできません。

揺れが収まったのを確認してから、猫の姿を確認し、部屋の状況を把握してください。

②出口の確認・火の始末

ストーブやキッチンなど、火を使っていた場合は、揺れが収まったことを確認してから火の始末をしましょう。

また、物が倒れてドアが開かなくなることもあるため、出入り口も確認。

急にドアを開けてしまうと、パニックになった猫が飛び出してしまう可能性があるため注意してください。

③猫の様子を確認

ドアが開いていたり、窓ガラスが割れていたりしない限り、猫は必ず室内にいるはずです。

猫の姿が確認できたら、優しく声をかけて出てくるのを待ちましょう。

④猫をキャリーバッグに入れる

猫が出てきたら、いつでも避難できるよう、キャリーバッグに入れて待機します。

猫がキャリーバッグに入らない場合は、洗濯ネットで全身を包み、そのままキャリーバッグに入れる方法がおすすめです。

飼い主

避難用のキャリーバッグや洗濯ネットは、しまわずにリビングに常に置いておくと災害時もスムーズに対応できるよ!

⑤防災無線やテレビ、ラジオで情報収集

避難の準備が整ったら、防災無線やラジオ、テレビなどで情報収集しましょう。

など、自分に合った情報を入手します。

出所がわからない情報には惑わされず、正しい情報を吟味した上で行動しましょう。

【外出中の被災①・すぐに帰れないとき】やるべき行動

飼い主が外出中に被災した場合(すぐに帰れないとき)

災害時、消防車や救急車などの緊急車両の妨げにならないよう、政府や自治体では安全確認ができるまでの3日程度は、職場や学校に留まることを推奨しています。

一人暮らしなど、日中家にいないことが多い世帯では飼い主の外出時に被災する可能性が高くなります。

すぐに帰れなくても猫が生き延びられるよう、見守りカメラや自動給餌器などのアイテムを活用して災害に備えましょう。

①ペットの見守りカメラを確認する

旅行中の被災などで飼い主がすぐに帰れない場合は、まずは見守りカメラを確認。

猫の様子を確認できるだけでなく、部屋の状況なども把握できます。

ただし、停電や家具が倒れて故障している場合は確認することができません。

数ヶ月に1回程度の充電で使用できる「充電式の見守りカメラ」を用意しておくと、停電したときも使えて安心です。

飼い主

見守りカメラは、部屋全体が見渡せる位置に設置でき、倒れる心配がない壁に取り付けられるタイプがおすすめ!

また、インターネットで遠隔に操作できるカメラ付きの自動給餌器も、いざというときに便利なアイテムです。

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②近所の人や親戚に確認をお願いする

親しいご近所さんや親戚が近くにいる場合は、猫の確認をお願いしましょう。

室内の状況が確認できなくても、建物の無事がわかるだけでも安心できます。

みけぽん

お互いに助け合えるネットワークを作っておこう!

【外出中の被災②すぐに帰れるとき】やるべき行動

飼い主が外出中に被災した場合(すぐに帰れるとき)

災害発生時に外出をしているが、自宅との距離が近い、自転車などですぐに帰宅できるというケースもあるでしょう。

しかし、災害時は何があるか分かりません。

常に細心の注意を払ったうえで、以下のような行動を心がける必要があります。

①安全を確保してから帰宅する

地震のあとは、余震が続いたり、道路に瓦礫が散乱していたりする可能性があります。

猫が心配で早く帰りたい気持ちはわかりますが、安全が確保できてから帰宅するようにしましょう。

②猫の安否を確認

帰宅したら猫の安否を確認。

地震の影響でドアが開いてしまったり、窓ガラスが割れたりしてしまうこともありますが、家の中で隠れている可能性が高いです。

姿が見えなくても慌てずに、優しく名前を呼びながら探してみましょう。

【災害時】猫が脱走した場合の探し方

  【初動が肝心】地震で猫が脱走してしまったら…

地震に驚いた猫は、パニックになって家を飛び出してしまうことがあります。

猫が脱走したとき、まずは初動の捜索が大切です。

飼い主

「そのうち帰ってくるかも」と様子を見ていると、どんどん家から離れて見つけにくくなることも。

1週間以内は半径500mを徹底的に探す

1週間以内は半径500mを徹底的に探す

室内飼育の猫が外に出た場合、それほど遠くには行かず、多くの場合家の近くで身を隠しています。

猫の名前を呼びながら、

などを中心にくまなく探しましょう。

驚いた猫は上に登る習性がある

驚いた猫は上に登る習性がある

地震の揺れや衝撃で驚いた猫は、咄嗟に屋根裏や木の上などに登ることがあります。

上下左右、立体的に探してみてください。

猫が使っていた猫砂や毛布を家の近くに置いておく

猫が使っていた猫砂や毛布を家の近くに置いておく

猫が迷子になってしまった場合、お家で使っていた猫砂や毛布を近くに置いておくと、自分のニオイに安心して帰ってくる可能性があります。

毛布の場合は、入口を開けた段ボールに毛布を入れて自宅の近くに設置。

猫砂の場合は、家の周りに少し撒いたり、穴を開けた袋に猫砂(シートの場合は細かく切る)を入れて自宅の近くに置いてみましょう。

探す時間は「早朝」・「夕方〜夜にかけて」がおすすめ

探す時間は「早朝」・「夕方〜夜にかけて」がおすすめ

猫は夜行性ではなく、薄明薄暮性の動物です。

早朝または夕方から夜にかけての時間帯は、猫が活発になり見つかる可能性が高まります。

猫は暗い場所で目が光るので、夜の方が見つけやすい場合もあります。

飼い主

好きなおやつの袋の音に反応して姿を現すこともあるよ!

まとめ

まとめ

今回は、災害から猫を守るために知っておくべきこと、避難所での心構えなどについて解説しました。

災害時、余裕がない中での猫のお世話や周囲への配慮はとても大変なこと。

そんな状況でも、愛猫を守ることができるのは飼い主さんだけです。

いざというときのために、必要な知識を身につけ、できるだけスムーズな対応ができるように備えをしておくことが大切です。

以下の記事では、災害時に猫を守るための事前準備、避難時に必要なアイテムなどについて解説しています。ぜひ、こちらも併せてご覧ください。

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