猫を飼っていると心配な「脱走」。
飼い主さんがどんなに気をつけていても、ちょっとした隙をついて外に出てしまうことも。
今回は猫の脱走をパターン別に解説します。
実際の事例を交えた探し方や脱走対策についてもご紹介するので、ぜひチェックしてくださいね。
猫の脱走パターン
猫の脱走パターンは、自宅やご近所の環境、猫ちゃんが今まで過ごしてきた環境などによって異なります。
飼い主さんがどんなに気をつけていても、玄関や窓に張り付いてふとした拍子に外に出てしまったり、自分で窓を開けて脱走してしまったり…。
猫の脱走に頭を抱えている方も多いのではないでしょうか。
猫の脱走には、下記のようなパターンが存在します。
ここでは、生活環境別に猫の脱走パターンをご紹介します。
ご自宅の猫ちゃんに当てはまるものを探して参考にしてみてくださいね!
引っ越しをしたとき
猫は環境の変化に弱い動物です。
自分の縄張り以外の場所が落ち着かず、新しい環境を自分の縄張りだと理解するまで時間がかかることがあります。
とくに、引っ越しをして間もないときは元の家に戻ろうとして脱走を図る猫やパニックになって家を飛び出してしまう子が多いようです。
元野良猫の場合
外で暮らしていた猫は「家の外にも自分の縄張りがある!」と認識しています。
そのため、縄張りを確認するために外に出たがったり、外が恋しくなったりすることもあるのです。
新しい家族が増えた
環境の変化が苦手な猫にとって、新しい猫が来たときや家族構成の変化は大きなストレスになります。
また、飼い主さんが新しい動物や家族に夢中にななってしまい、嫉妬のあまり「ここには自分の居場所がない」と感じて脱走してしまい、そのまま帰ってこなくなってくる場合もあるようです。
近所に発情中の猫がいる
猫の発情期は春から秋にかけての間がピークと言われています。
避妊・去勢手術をしていない猫の場合、発情期を迎えると相手を求めて脱走してしまうことも。
とくに、ご近所に野良猫が多い地域の場合は注意が必要です。
避妊・去勢手術が終わっている猫でも、発情中の野良猫の声や物音などの興味に釣られて脱走してしまう可能性があります。
過去に脱走した経験がある猫
過去に脱走した経験がある猫は外の環境を覚えてしまうことがあります。
猫によっては外に出たくて大きな声で鳴いたり、自分で窓を開けてしまったりすることも。
とくに、室内での環境に不満がある猫や多頭飼育で落ち着ける場所がないといった場合に多くみられる行動です。
半室内飼いの猫
家と外を自由に出入りできるようにしている場合、野良猫との縄張り争いで負けてしまい、家に帰れなくなることやほかに居心地のいい場所を見つけて帰ってこなくなることがあります。
また、獲物を追いかけているうちに遠くに行ってしまい、帰り方がわからなくなってしまうこともあるようです。
不慮の出来事によって脱走
動物病院や旅行先でハーネスが外れてしまったり、キャリーバッグから逃げ出してしまったりするケースも少なくありません。
とくに、外に初めて出る猫や臆病な性格の猫を外出させるときは注意が必要です。
普段聞きなれない音にびっくりして脱走してしまうことがあります。
猫が自力で帰ってくる可能性は?
猫は帰巣本能があると思われがちですが、実は明確な理由ははっきりとしていません。
「脱走してしまった猫が数ヶ月後、数年後に脱走帰ってきた!」といった話を聞くこともありますが、こういったケースは稀です。
とくに、外に出た経験がない室内飼いの猫は、パニックになりやすく自ら帰ってくる可能性はかなり低いと言えるでしょう。
脱走した猫が帰ってきた実例
■ 迷子から3年後に見つかった猫ちゃん
効果的な脱走対策は?
猫の具体的な脱走対策は以下の通りです。
それぞれ詳しくみていきましょう!
避妊・去勢手術をする
猫の脱走は、発情期の春から夏にかけてが最も多いと言われています。
発情期は本能的なものなので、しつけでどうにかなるものではありません。
発情期が原因の脱走を防ぐためにも避妊・去勢手術を行いましょう。
ひげちゃん
猫の避妊・去勢手術は、生後6ヶ月頃がおすすめにゃ!
猫と触れ合う時間を作る
飼い主さんと猫が触れ合う時間も脱走対策に繋がる大切なポイントです。
飼い主さんが仕事で1匹でいる時間が長く寂しさを感じている猫や、新しい猫に嫉妬して自分の居場所がないと感じてしまう子も多く、これらが原因で家出してしまうことも。
できるだけ猫といる時間を増やしたり、飼い主さんと遊ぶ時間を設けたりして猫とのコミュニケーションを大切にしてあげましょう。
家の中を快適な空間にする
脱走する猫の中には、室内の環境に不満を感じている子も少なくありません。
キャットタワーや爪研ぎ、お気に入りのおもちゃなどを積極的に取り入れて、室内を快適な環境に整えましょう。
みけぽん
猫は家につく動物。
家の中が快適なら、自ら縄張りの外に出ようとすることは少ないにゃ!
脱走防止アイテムを使う
猫の脱走経路で最も多い箇所は「玄関」「窓」「ベランダ」です。
この3箇所にはとくに念入りな脱走防止対策を行う必要があります。
玄関や窓を開けっぱなしにしない、脱走防止柵やネットを設置するなど猫の脱走ルートをブロックすることが大切です。
飼い主
ちなみに、我が家ではみけぽんが網戸や窓を開けて脱走してしまった経験が・・・。
一度学習すると外に出られることを覚えて脱走癖がついてしまうから要注意!
みけぽん
今は網戸ストッパーで出れないにゃ!
【未然の防止につながる】マイクロチップを活用しよう!
万が一の脱走備えてマイクロチップの装着も検討しましょう。
日本では2022年6月より、ペットショップなどで新たに販売される犬や猫のマイクロチップの装着が義務化されます。
既にご家庭で飼っている犬や猫は努力義務となりますが、マイクロチップを装着すれば災害や脱走して迷子にしてしまった際に見つかる可能性が高くなります。
首輪のGPSも有効
GPS付きの首輪も迷子防止に役立つアイテムです。
半室内飼いや外猫の場合、今どこにいるのかGPSで居場所がわかれば安心できます。
完全室内飼いの猫でも、万が一脱走してしまった時に備えてGPS付きの首輪はとても便利なアイテムと言えるでしょう。
愛猫が脱走してしまったときの探し方
万が一猫が脱走してしまったら、慌てずに落ち着いて探すことが大切です。
飼い主が焦って追いかけたり、大声で呼んだりすると猫がびっくりして遠くに行ってしまう可能性があります。
以下で猫を探すときに必要なものやコツについてご紹介するのでぜひ参考にしてみてくださいね。
猫を探すときに必要なもの
猫を探すときは、まず以下の持ち物を準備してから探しにいきましょう。
- キャリーバッグ
- 愛猫が好きなフードやおやつ
- おもちゃ
- バスタオルや毛布
- 懐中電灯
- 愛猫の写真
キャリーバッグは猫を保護した際に、安全に連れて帰るために必要です。
愛猫が好きなフードやおやつ、おもちゃを持ち歩いておけば、いざ見つけたときに警戒心を緩めて出てきてくれる可能性があります。
また、愛猫が愛用しているバスタオルや毛布は、猫を優しく抱き抱えるときに役立つことも。
愛猫の写真をプリントアウトしたものを持参しておけば、ご近所の方や通りかかった人に写真を見せることができ、手掛かりを見つけられるかもしれません。
探し方のコツは?
猫の習性や行動パターンを理解した上で探してあげることも重要です。
落ち着いたトーンで名前を呼びながら、慌てずに探してみましょう。
半径50m以内を中心に探す
外に慣れていない猫は遠くへ行かず、自宅の近くでじっとしていることが多いです。
外の景色や音に驚いて暗い場所や狭い場所に逃げ込むこともあります。
車の下や軒下、家と家の間の狭い空間にいる可能性もあるので、人目につきにくい場所を念入りに探してみましょう。
自宅周辺に愛猫が使っていたものを置く
玄関や窓の前に愛猫が使っている毛布やタオル、トイレなどを置くのも有効です。
完全室内飼いの猫なら、いきなり遠くに行く可能性も少なく、自分のニオイがついたものに安心して帰ってくるかもしれません。
同居猫がいない場合は、窓や玄関を少し開けて待ってあげるのもよいでしょう。
SNSやポスターを活用する
数日経っても見つからない場合はSNSやポスターを活用しましょう。
ポスターの場合は、ご近所に配ったりスーパーや動物病院などの施設に協力してもらったり、できるだけ多くの人の目に付くようにすることも大切です。
以下はSNSの拡散機能を活用して無事に帰ってきた猫ちゃんの事例です。
飼い主
自宅周辺を担当している配達員に声をかけてみるのもおすすめです。
地域を把握し、周囲の状況もよくみているので手がかりが見つかる可能性があります。
※元配達関係者
警察署・保健所・愛護センターへ連絡する
迷子になった猫が保護されて警察署や保健所、愛護センターに預けられているケースもあります。
飼い主不明のまま殺処分になってしまうことがないよう、地域の警察署や保健所・愛護センターへの連絡も忘れず行いましょう。
夜から朝にかけた時間帯で探す
猫が活発になる時間帯は、夜から朝にかけた時間帯です。
普段人間のライフスタイルに合わせて生活している猫でも、外に出ると夜型になる子が多い傾向にあります。
昼間の捜索も大切ですが、猫の動きが活発になる暗い時間帯にも捜索してみましょう。
愛猫が好きな「音」を立てる
「大好きなおやつの袋の音」「いつも遊んでいるおもちゃの音」など、音でおびき寄せる作戦も有効です。
日頃から愛猫の好きな音や反応する音を覚えておくと、捜索の際に役立つかもしれません。
みけぽん
私はマタタビジャーキーの袋の音で見つかったにゃ・・・
どうしても見つからない場合は?
愛猫がどうしても見つからない場合は専門業者や捕獲機の利用も視野に入れて捜索してみましょう。
ペット探偵を依頼する
近年ではペットの捜索を専門としている業者もいます。
猫の専門知識に基づいて捜索してくれたり、飼い主さんだけでは探しきれない場所や時間帯で探してくれるので頼ってみるのもアリですね。
■ペット探偵の相場
1日 | 2,000〜2,500円程度 |
3日 | 6,0000〜6,5000円程度 |
6日 | 8,0000〜13,0000円程度 |
料金は業者や捜索日数、その他交通費などによって異なります。
また、別途でチラシの作成費用などが発生する場合もあるようです。
捕獲機を使う
「姿は見えるのになかなか捕まえられない…」というときは捕獲器を利用するのもおすすめです。
猫の捕獲機の相場は、約5,000〜12,000円前後で、ネットなどで購入できます。
ただし、ほかの猫が入ってしまったり子どもが怪我してしまう可能性もあるので、設置した捕獲器は放置せずに近くで見守りましょう。
まとめ
我家には生後1〜2ヶ月ごろに保護した2匹の保護猫がいます。
みけぽんは何度か自分で窓を開けて脱走する常習犯でしたが、ひげちゃんが来たことで室内の環境が快適になり、脱走を試みなくなりました。
また、ひげちゃんが来たタイミングと同時期に飼い主である私が外での仕事を辞めたこともひとつのきっかけだと思っています。
我が家の場合は、みけぽんに気の合う友達が増え、飼い主と一緒にいられる時間が増えたことが解決策につながりました。
猫によってそれぞれですが、ちょっとした家庭内の変化が脱走防止につながることもあるかもしれません。
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– 猫の健康管理インストラクター
– 保護猫歴10年
– 2匹の保護猫と暮らす
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