人生で初めて経験した、猫と埼玉から福岡までの1,000kmを超える長距離のお引越し。
夫婦2人、猫2匹、うさぎ1匹を連れての大移動を経験しました。
長距離での引越しで最も安全だと思い、フェリーでの移動を決意。
今回は猫と長距離の引越しを終えてみて分かったこと、感じたことを体験談を踏まえてご紹介します。
猫と引っ越しするときの移動手段は?
猫と長距離の引越しする際、考えられる移動手段は以下の4つ。
- 飛行機
- 新幹線
- 車
- フェリー
まずは、それぞれのメリット・デメリットについてまとめてみました。
飛行機
メリット | デメリット |
・短時間で移動できる | ・貨物室に預けなくてはいけない ・騒音が激しくストレスを感じやすい ・緊急時の対応 |
長距離での引越しで最もメジャーと言えるのが、飛行機での移動ではないでしょうか。
しかし、飛行機にペットを乗せる場合、ペットは客室ではなく飼い主さんと離れて貨物室に乗せるのが一般的。
慣れない場所、慣れない移動に伴い、飼い主も近くで見守れないとなれば猫もとても不安に感じるはずです。
移動の際は、常に飼い主の目に届く場所にいて欲しかったので飛行機での移動は選びませんでした。
新幹線
メリット | デメリット |
・渋滞や混雑に左右されにくい ・揺れが少ないので乗り物酔いしにくい ・飼い主と一緒に移動できる | ・鳴き声などでほかの乗客の迷惑になる可能性がある ・トイレなどを考慮すると長距離の移動には向いていない |
猫と一緒に新幹線に乗る場合は、猫は荷物扱いになるため、手回り切符290円が必要(JRの場合)になります。
また、キャリーバッグやケージのサイズや重量にも規定があります。
- 縦横高さの合計が120cm以下
- 重量は10kg以内
各鉄道会社によって条件が異なる場合がありますので、事前に確認しましょう。
新幹線の移動は、飼い主さんと一緒に移動できる反面、大勢の人と同じ空間で過ごす必要があります。
慣れない移動で鳴いたり、暴れたりする可能性を考えると個人的にはあまりおすすめできません。
私たちのように、埼玉から福岡の長距離移動となると長時間狭いキャリーで過ごさなくてはならず、トイレや水分補給も難しいため猫への負担も大きくなります。
猫の健康面やストレスを考えると、新幹線での移動は向いていないかもしれませんね。
飼い主
ちなみに、埼玉から博多駅を新幹線で移動する場合にかかる時間は「6時間以上」!(途中乗り換えあり)
ひげちゃん
家から駅、駅から家への移動時間も含めるともっと時間がかかるよね…。
車
メリット | デメリット |
・飼い主と一緒に移動できる ・すぐに病院に連れていける ・休憩しながら移動できる ・ほかの交通手段よりも負担がかかりにくい | ・長距離の場合、移動時間が長くなる ・渋滞などの道路状況に左右されやすい ・高速道路での脱走のリスク |
車移動の最大のメリットは、飼い主さんと一緒に移動でき、家族以外の人との接触がないことです。
猫は基本的に人が多い場所が嫌いな動物。
車移動なら人混みや、知らない人との接触によるストレスにさらされることもありません。
また、移動中に万が一猫が体調を崩してしまった場合に、車移動ならすぐに動物病院に連れていくこともできます。
シニア猫や持病を抱えている猫にとっては、最適な移動手段と言えるでしょう。
一方で、車移動の最大のデメリットは移動時間が長いこと。
ほかの交通手段に比べて最も臨機応変に対応できますが、移動時間が12時間を超えるような場合は猫にとって大きな負担になります。
車で移動する場合は、
- 30〜1時間に1回ごとに休憩する
- 車内の空気を入れ替える
- こまめな水分補給
- トイレが入る大きめのケージで移動する
などの配慮が必要です。
また、「長時間ケージに入れておくのはかわいそう…」という理由で、キャリーから出したり抱っこしたりするのは危険。
高速道路で脱走してしまったり、脱走したペットを追って飼い主さんが事故に遭ってしまったりする痛ましい事故もあります。
車の中であっても、猫は必ずケージから出さないよう徹底しましょう。
【私が選んだ移動手段】フェリー
メリット | デメリット |
・飼い主と一緒に移動できる ・客室内であれば、猫をキャリーから出すことができる ・エアコンなどの設備が整っている ・車も一緒に運べる | ・猫や天候によっては船酔いの症状が出る ・天候によっては欠航になる可能性がある ・ペットルームはおすすめしない(飼い主とは別部屋のペットを預ける専用の部屋) |
今回、私が猫との引越しに選んだ移動手段はフェリーです。
引っ越しをするにあたって、以下のポイントを重視しました。
- 猫と同じ空間で移動できること
- 複数のペットと移動できること
- 猫への負担をなるべく減らすこと
- 安全な移動手段であること
- 車も一緒に移動できること
これらの条件が全て当てはまったのが「東京九州フェリー」。
移動時間は約1日と長い旅ではあるものの、猫は部屋の中を自由に歩き回ることができる(家具や布団の上に乗ることは禁止)ので安心。
初めての長旅、慣れない場所で猫も戸惑った様子ではありましたが、簡易トイレを設置し無事に糞尿の排泄もしてくれました。
さらに、今回利用した東京九州フェリーでは、一般客室と私たちが宿泊したウィズペットルームで空間が別れていたため、脱走や連れ去りなどの心配がなかったのもうれしいポイント。
車も一緒にフェリーで移動できるので、電車などの公共交通手段を利用することもなく済みました。
フェリーに乗るまでの待機時間もギリギリまで車で待機でき、フェリーに乗車する際もペットがいる乗客を優先し、係員が乗船をサポートしてくれました。
そのため、家族以外の人と長時間過ごすこともなく、人混みもないため猫への負担も比較的少なかったと思います。
フェリーでの詳しい情報や注意点、料金、施設内容などについては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ、こちらもあわせてご覧ください。
引越し前にやっておくべきこと
キャリーバッグに慣れさせる
我が家では、引越しする約2ヶ月ほど前から猫2匹と小型トイレが入る、大きめのキャリーバッグを用意し、慣れてもらうようにしました。
具体的には、
- リビングに常に扉を開けた状態で置いておく
- 小型トイレをキャリーバッグの中に設置
- おやつやお気に入りの毛布などを入れて安全な場所であることを認識させる
などを行いました。
トイレやキャリーバッグ内に自分の匂いがあると、慣れない場所でも安心してくれるはずですよ。
また、移動中や業者が出入りしているときにストレスを感じて、粗相してしまうこともあるため、キャリーバックの底にはトイレシーツを敷いておくと安心です。
車に慣れさせる
普段から車移動に慣れていない猫の場合は、引越し前に何回かドライブしておくとよいでしょう。
我が家の場合は、引越しの2ヶ月ほど前から猫をキャリーバッグに入れ、ドライブの時間を少しずつ伸ばすようにしました。
引越し前に1度猫を乗せてみることで、必要なものや脱走対策などを事前に把握できます。
動物病院で健康状態をチェック
引越し当日は、業者などの出入りが激しく、普段と違う状況に猫もストレスを感じやすくなります。
猫によっては、強いストレスから体調を崩してしまったり、ごはんを食べなくなってしまったりすることも。
引越し前は、猫の健康状態をチェックすることに加え、事前に動物病院で健康状態をチェックしてもらうのがおすすめです。
健康チェックに加えて、獣医師さんに引越しの注意点や酔い止め薬をもらったりして、アドバイスをもらっておくと安心です。
飼い主
長距離の移動で乗り物酔いする猫は多いから、酔い止めを処方してもらうと安心だよ!
引越し先の動物病院の連絡先をメモしておく
引越し先や移動中に何かあったときに対応できるよう、引越し先の動物病院の連絡先をメモしておきましょう。
また、普段から動物病院を受診し、治療している怪我や病気がある場合には、引越し先の病院で治療の引き継ぎができるよう、招待状をもらっておくのがおすすめです。
飼い主
病院を受診する前に、病気の対応が可能か聞いてみるといいかも!
みけぽん
電話したときの対応や雰囲気で、自分に合っている病院か確認することもできるよ!
首輪・マイクロチップ・迷子札を付ける
引越しの途中で脱走してしまったり、業者が来たときにびっくりして逃げ出してしまうこともあります。
迷子になったときに対応できるよう、首輪・マイクロチップ・迷子札を装着しましょう。
首輪に慣れていない子の場合は、慣れない首輪が原因で事故や怪我につながってしまうこともあるため、セーフティー機能付きの首輪や柔らかい素材のものを選ぶことをおすすめします。
引っ越し当日にやること
各業者に猫がいることを伝えておく
- 引っ越し業者
- ガス業者などの立ち会い
など、引越し直前になると、さまざまな業者が家を出入りするようになります。
来客に慣れていない猫ちゃんは、普段と違う環境にソワソワして業者さんが出入りしている隙にに逃げ出してしまうことも。
業者が来る前に「家に猫がいるので、インターホンを鳴らす前に電話をお願いします。」など、あらかじめ伝えておくと安心ですよ。
業者が出入りしているときは、ケージに入れ、別の部屋に移動させるなど、できるだけストレスにさらされないように心がけましょう。
飼い主
引越し業者のように
・事務の人
・見積もりに来た人
・当日荷物を取りに来てくれる人
などさまざまな役割の人がいる場合には、猫がいることの引き継ぎがされていない場合もあるので、引越し当日に改めて連絡しておくと安心!
一度パニックになってしまうと、家具の隙間に入り込んだり、手の届かない場所に移動して大変なので要注意!
引越し前日の夜はごはん少なめ、出発2時間前はごはん抜き
車など、乗り物に乗る前は体調管理が大切です。
出発直前にごはんを食べすぎると、車酔いの原因になることも。
- 出発前日の夜ごはんは少なめ
- 遅くても出発の2〜3時間前までには食事を済ませる
- 水も出発の1時間前に済ませておく
といった工夫で、猫の車酔いを防ぎましょう。
移動中に飼い主ができること
名前を呼んだり声をかけたりする
慣れない場所、慣れない移動に猫は不安を感じるはずです。
猫は不安を感じると「アオーン」と、いつもと違うトーンの声で鳴くことがあります。
この声は、猫が不安を感じているときに出す声でストレスマックスな状態。
こまめに名前を呼んだり、話しかけたりして飼い主さんが近くにいることを知らせてあげましょう。
我が家の場合は、後部座席に猫を乗せ、運転中は夫婦のどちらかが猫の隣で見張り役。
休憩する際も、どちらかは車に残り車内に猫だけが取り残されることがないように心がけました。
引越しが終わった後のケアも大切!
安心できる場所を作る
暗い場所や高いところなど、猫が隠れられる場所を作ってあげましょう。
具体的には、
- キャリーバッグにお気に入りの毛布を入れて置いておく
- 前のお家で使っていた寝床や猫砂を置く
などがあると安心です。
また、猫のニオイがついたタオルやおもちゃ、毛布などを使って家中に広げてあげるのも効果的。
猫の顔周りにはフェロモンを出す分泌腺が多く集中しているので、軽く擦って匂いを集め壁や柱、家具などに擦り付けておくとよいでしょう。
新居に到着後、猫用品はなるべく早く開封できるようにしておくことも大切です。
家具の配置を前の家と同じにする
猫は家具の種類や配置を細かく把握しています。
新居での家具の配置や種類が極端に変わってしまうと、大きなストレスになることも。
家具はなるべく、前のお家で使っていたものをそのまま残し、配置もあまり変えないようにしましょう。
同じ家具を同じ場所に設置することで、前のお家のニオイや雰囲気が残り、新しい環境へのストレスを軽減できます。
家具の買い替えや模様替えをするときは、猫が新居に慣れてから行うのがおすすめです。
引越し後しばらくは猫の様子を細かくチェック!
猫が新居に慣れるスピードには個体差があるものの、一般的には1〜2週間ほどだと言われています。
引越し後、しばらくの間は猫の体や様子に異変がないか細かくチェックしましょう。
猫は環境の変化にとても弱い動物です。
- 2日以上ごはんを食べない
- 丸1日排尿がない
- 3日間排便がない
などの様子が見られたら、動物病院を受診することをおすすめします。
実際に引越しをして後悔・反省したこと
どんなに事前準備や予行練習をしても、やはり引越し当日はイレギュラーも多々ありました…。
車での移動中、キャリーバッグが開いてしまった!
今回の引っ越しで我が家が使ったキャリバッグがこちら↓
本当はハードタイプのものがよかったのですが、
- 2匹同じ空間+トイレが入る大きさのもの
- そもそもハードタイプのキャリーを嫌がる
といった理由から、折りたたみ可能なソフトタイプのキャリーバッグを選びました。
折りたたみ式でチャックが3箇所ほどあったため、猫が内側から開けてしまわないように金具でしっかり固定。
しかし、長時間の移動に飽きた猫がどういうわけかチェックを開けて車内に脱走してしまいました。(飼い主のお膝の上で車窓を眺めていた(笑))
持っていたリードでチャックが開かないように固定し、なんとか再発防止できましたが…。
猫の頭の良さに関心したのと同時に、今度キャリーを買うときは
- 「ロック式のファスナーがついている」もの
- 猫の急な飛び出しを防ぐ「飛び出し防止リード付き」のもの
を選ぼうと反省しました…。
酔い止め薬をもらっておけばよかった
フェリーに乗る当日、台風が接近していたこともあり、普段より波が高くなっていました。
フェリーの客室に到着後、最初は少し警戒しつつもすぐに慣れてくれ、トイレしたり2匹で遊んだりしている様子で飼い主も一安心。
しかし、波は深夜にかけてますます強くなり、1匹の猫が急におとなしくなり、よだれを垂らすように…。
幸いにもすぐに波は穏やかになり、体調も回復しましたが、猫によっては乗り物酔いしやすい子も少なくないようです。
猫を乗り物に乗せる場合は、獣医師さんに相談し酔い止め薬を処方してもらいましょう>_<
実際に猫と引越しを経験した方の体験談
引越しするにあたって、Instagramのフォロワーさんにさまざまなアドバイスをいただきました。
飼い主
とっても参考になりました!
みなさんありがとうございました✨
ここでは、フォロワーさんの体験談をいくつかご紹介します。
引越し前から車に慣れさせ、今ではドライブが大好きに!
我が家は「岩手県→静岡県」「静岡県→静岡県」で2回引越ししました。
保護施設からやってきた保護猫1匹がいます。
引越し前からちょくちょく車に乗せて移動に慣れさせ、今ではドライブ大好きにゃんこに!
静岡から静岡に引越しをしたとき、インターホンの音や宅配便、男性の大きな声が苦手なので、あらかじめ引越し業者さんに「猫がいるのでインターホンを鳴らさずに、こちらが声をかけるまで外で待機していてくださいね。」とお願いしました。
引越しが終わるまでペットホテルに預けることに。
我が家は引越し業者が荷物を搬入して帰るまで、ペットホテル(病院が隣接してある)に半日コースで預けていました!
トイレやごはんコーナーを作ってから、猫を引き取りに行きました。
飼い主
猫へのストレスや脱走のリスクを考えるとペットホテルに預けるのもいいね!
猫が落ち着くフェロモンが出るグッズ「フェリウェイリキッド」を使用しました。
私も転勤族のため「山口→広島」「広島→岡山」の2回引越しをしました。
猫と飼い主がこもれる部屋を一部屋作り、その部屋には
- 猫の水
- ごはん
- トイレ
- 隠れる箱(も落ち運べるキャットハウス)
のみを残して、残りの猫グッズや家具は部屋の外に出して搬入してもらいました。
新居に搬入後は、新居組と居残り組で夫婦2手に分かれて、新居組が猫部屋の設置(簡単にキャットタワーの組み立てのみ)をしてもらいました。
新居の猫部屋には「フェリウェイリキッド」という、猫が落ち着くフェロモンが出るグッズをコンセントにさして、炊いてもらいました。
居残り組は、猫をキャリーに入れて猫に待ってもらっている間に、ごはんやお水の器、猫砂はトイレごと70ℓの袋に入れて車に積み、キャリーに入れた猫を新居に連れて行きました。
飼い主
猫が落ち着くフェルモンが出るグッズがあるのは知らなかった!
まとめ
今回は、猫との長距離の引越しについて私の体験談を元にご紹介しました。
実際に引越しをしてみて「如何に事前準備が大切であるか」がわかりました。
私の場合は、実際に猫との引越しを経験した方のエピソードを聞いたり、事前にシミュレーションや夫婦で何度も話し合いしたりしたことが、無事に引っ越しを終えることができた理由かなと思います。
それでも、交通状況や天候、猫の体調などによってイレギュラーもあり、反省すべきこともたくさんありますが…。
本記事を参考に、少しでも皆さんの引越しのお役に立てれば幸いです。
飼い主
引越しに関して不安な点がある方は、InstagramのDMで、気軽にご相談くださいね🌟
Instagram(@neko_00a)
こちらの記事もおすすめ!
– キャトヘルスアドバイザー
– 猫の健康管理インストラクター
– 保護猫歴10年
– 2匹の保護猫と暮らす
猫と飼い主さんにとって快適な暮らし、愛猫といつまでも楽しく暮らすための知識を得るサポートをします。