愛猫にはいつまでも、健康で元気に長生きしてもらいたいですよね。

猫の平均寿命は年々伸びていますが、生活環境や猫種などによって寿命が異なることもわかっています。

そこで今回は、猫の平均寿命を特徴別にご紹介。

愛猫の寿命を伸ばす5つの習慣についても詳しく解説するので、ぜひご覧くださいね。

猫の1年は人間の約4年分

  猫の1年は人間の約4年分

猫は1歳で人年齢の18歳まで成長し、2歳では24歳、3年以降では1年で4歳のペースで年を取ると言われています。

猫の健康状態などによって個体差があるため、一概には言えませんが生後1年を過ぎたら立派な成猫です。

飼い主さんにとって猫はいつまでも子どものような存在ですが、年を取るスピードは人間に比べて約4倍の速さで、飼い主さんの年齢をあっという間に追い越していきます。

愛猫が病気になってしまった際も、猫は人間に比べて病気の進行が早いです。

愛猫と1日でも長く一緒に生活するためには、1日1日のケアや健康管理が長生きのポイントとなるでしょう。

猫の平均寿命は15〜16才

  猫の平均寿命は15〜16才

2021年に一般社団法人ペットフード協会が発表した、全国犬猫飼育実態調査での猫の平均寿命は、15.66歳と報告されています。

つまり、病気や怪我などによって寿命が縮まるような出来事がなければ、平均15〜16歳まで一緒に過ごすことができるでしょう。

しかし、猫の寿命は猫種や性別、居住環境などによっても異なります。

雑種・純血種の平均寿命

猫 雑種・純血種の平均寿命

アニコムグループが発表した「家庭動物白書2021」の結果から、寿命が長い10種類の猫種をご紹介します。

  • 1位 日本猫 15.1歳
  • 2位 混血猫 15.0歳
  • 3位 ラグドール 14.9歳
  • 4位 ペルシャ(チンチラ) 14.3歳
  • 5位 ソマリ 14.0歳
  • 5位 アメリカン・カール 14.0歳
  • 5位 ノルウェージャン・フォレスト・キャット 14.0歳
  • 5位 スコティッシュ・フォールド・ロングヘア― 14.0歳
  • 9位 アビシニアン 13.9歳
  • 10位 ロシアンブルー 13.8歳
引用:アニコム 家庭動物白書2021

1位と2位は、共に雑種の日本猫と混血猫。

雑種がほかの猫種に比べて平均寿命が長い理由は、雑種猫は混血猫よりもさまざまな血を受け継いでいるため、遺伝的疾患が出にくいと考えられているからです。

みけぽん

飼い主

純血種特有の疾患で、親猫から子猫に引き継がれる病気の遺伝のこと。

例えば、マンチカンは「骨軟骨異形成症」「多発性囊胞腎症」「肥大型心筋症」などになりやすいと言われているよ。

オス猫・メス猫の平均寿命

オス猫・メス猫の平均寿命

2017年のアニコム損害保険株式会社の報告によると、オス猫とメス猫で平均寿命が異なることもわかっています。

オス猫・・・13.7歳
メス猫・・・14.8歳

オス猫に比べてメス猫の方が長生きする傾向にあるようですが、明確な理由はわかっていません。

しかし、避妊・去勢手術を受けた猫は卵巣や精巣などの生殖器に疾患が出にくく、寿命が伸びる傾向にあります。

つまり、性別によって寿命が異なるというよりも「避妊・去勢手術や適切な健康管理が猫の寿命に影響しているのではないか」と考えられています。

野良猫・飼い猫の平均寿命

野良猫・飼い猫の平均寿命

野良猫と飼い猫の平均寿命は以下の通りです。

野良猫・・・3〜5歳程度
飼い猫・・・14.2歳
参考:アニコム『家庭どうぶつ白書2017』

飼い猫の場合はしっかり食事が与えられ、基本的には室内で生活しているため、寒さや暑さに晒される機会も少ないでしょう。

一方、野良猫はいつ食事にありつけるか、雨風を凌げる場所を探すことすら過酷な環境です。

さらに、ほかの猫との縄張り争いでできた怪我や交通事故が原因で命を落とすことも少なくありません。

これらの要因から、野良猫は飼い猫に比べて平均寿命がかなり短くなってしまうのです。

室内飼いの猫と外飼いの猫寿命が長いのはどっち?

  室内飼いの猫と外飼いの猫寿命が長いのはどっち?

完全室内飼いの猫と外に出る猫によっても、平均寿命は異なります。

参考:アニコム 家庭動物白書2021

【室内飼いの平均寿命】16.22歳

【室内飼いの平均寿命】16.22歳

完全室内飼いの猫は、外に出る猫に比べて2年半ほど平均寿命が長いとされています。

窓の外を眺める猫の姿を見ていると「外に出したほうが幸せなのかな?」と感じることもあると思いますが、猫にとって快適な環境に整えれば、室内の限られたスペースでも十分幸せに暮らすことができますよ。

【外飼いの平均寿命】13.75歳

【外飼いの平均寿命】13.75歳

外に出る飼い猫の平均寿命は、13.75歳と完全室内飼いの猫に比べて2年半ほど短いという結果に。

外に出る猫は、ほかの猫との喧嘩や感染症、交通事故のリスクなどさまざまな危険があります。

そのほかにも、高いところから落ちて骨折してしまったり、ノミだらけになってしまったりする猫も多いです。

病気や怪我、交通事故などで亡くなってしまうリスクを考慮すると、安全な室内での環境を整え、完全室内飼いにすることを推奨します。

愛猫の寿命を伸ばす6つの習慣

  愛猫の寿命を伸ばす6つの習慣

愛猫と1日でも長く一緒に過ごすために、飼い主さんはどのような点に気をつけたらよいのでしょうか。

ここでは、愛猫の寿命を伸ばす6つの習慣をご紹介します。

猫を外に出さない

猫を外に出さない

先述の通り、外の環境にはほかの猫との喧嘩や感染症、交通事故などのさまざまな危険が潜んでいます。

猫を外に出さないだけで寿命が2年半ほど伸びるというデータもあるので、できるだけ室内で過ごすようにようにしましょう。

一度外に出てしまうと、家の周りに自分の縄張りができてしまい、脱走を繰り返してしまうことも。

我が家も2匹の保護猫と暮らしていますが、1匹目は1度外に出たことがきっかけで、自分で窓を開けて脱走してしまう時期がありました。

また、猫が外に出たがるのは室内の環境に不満を感じている可能性もあります。

猫は上下運動が必要な動物ですので、キャットタワーや家具などの配置を工夫して高さを活かし、猫が室内でも満足できる環境を作ってあげましょう。

猫の身体に触れて健康チェック

猫の身体に触れて健康チェック

毎日猫の体に触れたり、食欲や排泄、行動などに変化がないか確認しましょう。

猫が健康に過ごすためには、病気の早期発見、治療が大切です。

万が一、猫の体や行動に異常が見られたら、速やかにかかりつけの獣医師さんに相談しましょう。

定期的に健康診断を行う

猫は定期的に健康診断を行う

飼い主さんの健康管理に加えて、定期的に動物病院で健康診断することも重要です。

健康な猫であれば、年に1回、8歳以上のシニア猫の場合は半年に1回のペースで健康診断を受けるのがおすすめです。

バランスのいい食生活

バランスのいい食生活

猫も人間と同じように、バランスのよい食生活が大切です。

猫の食事で最も重要なのが、猫に必要な栄養素がバランスよく摂れているかということ。

猫に必要な5大栄養素

  • タンパク質
  • 炭水化物
  • 脂質
  • ビタミン
  • ミネラル

そして、上記の栄養素に加えてさらに大事なのが水分です。

水分が不足すると、腎臓への負担や尿路結石のリスクが高まってしまうので要注意。

一般的なキャットフードに加えて、猫に必要な栄養素と水分が含まれた総合栄養食を与えてバランスのよい食事を心がけましょう。

飼い主がタバコを吸わない

飼い主がタバコを吸わない

アメリカのマサチューセッツ大学とタフツ大学の研究(※)によると、禁煙者と暮らす猫は悪性リンパ腫などのガンになる確率が2〜3倍になることが報告されています。

家族や飼い主さんにタバコを吸う人がいるご家庭では「猫のいない部屋でタバコを吸うこと」「タバコは猫の手に届かない場所で管理すること」というように、細かくルールを決めておきましょう。

参照:Environmental Tobacco Smoke and Risk of Malignant Lymphoma in Pet Cats 

電子タバコや加熱式タバコに含まれる成分や香料も、猫に悪影響を与えます。

快適な環境づくり

快適な環境づくり

猫にとって快適な環境作りも、寿命を伸ばすために大切なポイントです。

一般的に、猫は横の空間よりも高さを重視すると言われています。

キャットタワーを設置したり、家具の置き方を工夫したりして高さを活かした環境を作りましょう。

適度な運動で運動不足・ストレスを解消!

適度な運動で運動不足・ストレスを解消!

室内で飼育されている猫は、運動不足による肥満になりがちです。

子猫の頃は飼い主さんがいなくても活発に遊んでくれますが、年を重ねるにつれて徐々に運動しなくなり、肥満の原因となることも。

猫の肥満は、糖尿病や泌尿器疾患、腎不全などの命に関わる病気のリスクを高めます。

猫の肥満や運動不足解消の方法については、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

猫の健康に関するQ&A

    猫の健康に関するQ&A

食事の回数は決めるべきですか?

食事の回数は決めるべきですか?

猫は1日に何度も食事する習性があります。

猫の年齢など個体差によって異なりますが、一般的には2〜4回に分けて与えるのが理想的です。

総合栄養食を与えれば、ほかのフードは食べさせなくても大丈夫ですか?

総合栄養食を与えれば、ほかのフードは食べさせなくても大丈夫ですか?

OKです。

総合栄養食は、猫が健康な体を維持する上で必要栄養素、水分が全て含まれています。

ドライフードには水分が含まれていませんので、水をしっかり飲ませることが大切です。

飲水量を増やすためにはどうしたらよいですか?

飲水量を増やすためにはどうしたらよいですか?

①水飲み場を複数箇所に作る
②猫の好みに合った器を選ぶ
③水は1日2〜3回入れ替える

上記の方法以外にも、水にチュールを溶かして与えたり、ぬるま湯を与えたり、手作りスープを作ったりする方法もあります。

まとめ

まとめ

今回は、猫の平均寿命や愛猫の寿命を伸ばす習慣などについて解説しました。

完全室内飼いの猫と外に出る猫の平均寿命は異なり、完全室内飼いの猫は外に出る猫に比べて約2年半も長生きすることがわかっています。

日々の健康管理や食生活などに注意し、1日でも長く一緒に過ごせるように心がけたいですね。

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