家に帰ってきて猫がお出迎えしてくれたら、一人暮らしでも寂しくないですよね。
しかし、SNSなどを見ていると「一人暮らしで猫を飼うのはかわいそう!」という批判的な声もあり、猫を飼うのを迷っている方やすでに一人暮らしで猫を飼っている方は、飼い猫にかわいそうな思いをさせてしまっているのではないかと心配な方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、一人暮らしで猫を飼うのがかわいそうな理由や、一人暮らしでも猫を幸せにする方法などについて解説します。
猫は家でひとりでいるとき「寂しい」の?
一人暮らしで猫を飼うと、「自分がいないとき、ひとりでいると寂しいのかな?」と疑問に感じることもありますよね。
しかし、実際には人間と猫で「寂しい」という感情が異なるようです。
猫の感情は人間と少し違う
猫は人間のように「悲しい」「寂しい」という気持ちをあまり感じないと言われています。
本来、猫は単独行動をする動物。
そのため、野生で生活するのに「悲しい」「寂しい」といった、人間と同じ感情を持っていては生活することができません。
一方で、猫は環境の変化を好まず、日常生活のちょっとした変化でも不安になりやすい性質でもあります。
飼い主さんがいないないと、いつもと違う環境に「不安」を感じ、ネガティブな感情を抱くことがあるようです。
そんな猫の様子が、飼い主さんから見ると寂しい、悲しそうに見えることも。
猫が感じる「不安」は、人間でいう「悲しい」「寂しい」に似た感情なのかもしれません。
一人暮らしで猫を飼うのがかわいそうな理由
テレビやSNSで見かける猫の写真や動画に癒され「一人暮らしでも猫あを飼いたい!」と思う方はたくさんいるはず。
でも、一人暮らしだと仕事でお留守番が多くなったり、ひとりで過ごす時間が長くなったりして「かわいそうな思いをさせてしまうのではないか」と不安になりますよね。
ここでは、一人暮らしで猫を飼うのがかわいそうな理由を4つご紹介します。
人間が好きで孤独に弱いタイプの猫もいる
冒頭で述べた通り、猫は本来単独行動をする動物で、野生時代の名残から「悲しい」「寂しい」といった感情をあまり感じないと言われています。
しかし、人間にもいろいろ性格の人がいるように、猫の性格もさまざま。
- 飼い主さんと一緒にいる時間が長く、甘えん坊な性格
- 兄弟や多くの仲間と生活していた
など、猫本来の性格や育った環境によって、孤独に弱いタイプの猫もいます。
また、日常的に飼い主さんに要望や甘えを受け入れてもらっている猫は、飼い主さんに対する依存が高く、ひとりでいる時間に不安を感じやすい傾向にあるようです。
仕事で帰りが遅い
一人暮らしをしていると、仕事で帰りが遅くなることもありますよね。
そんなときに心配なのが、猫のごはんや水の不足や、トイレの衛生状態です。
猫のごはんや水は長時間放置すると、鮮度が落ちてしまい健康に悪影響を与えることも。
また、猫のトイレは1日最低でも2回は掃除が必要です。
猫によっては、長時間放置されたトイレを嫌がってカーペットや布団で粗相したり、オシッコやウンチを我慢してしまい、病気になってしまうこともあるため要注意。
仕事で帰りが遅くなる方は、自動給水機や自動給餌器、システムトイレなどを活用し、猫が快適に過ごせる環境を作ってあげることが大切です。
運動不足になりやすい
一人暮らしの場合、1kなどのワンルームで生活環境が狭い場合が多いでしょう。
飼い主さんがいれば、猫じゃらしやボールなどを使って遊ぶことができますが、一人暮らしだと飼い主さんがいない日中は、食べて寝ての繰り返しで運動不足になりやすくなります。
猫が運動不足になると、肥満が原因の病気になることもあるため、飼い主さんがいないときでも運動できる環境を整えることが大切です。
例えば、
- キャットタワーを設置する
- 家具の配置を工夫して高い場所にキャットウォークを作る
など、飼い主さんが不在中でも運動できる環境を作りましょう。
飼い主
猫は、部屋の広さよりも高さを重視する傾向にあるよ!
結婚などの環境の変化が多い
一人暮らしの場合、飼い主の結婚や病気、転勤などで環境の変化が多いこともありますよね。
猫は環境の変化に弱い動物なので、新しい家族が増えたり、引越しが多かったりするとストレスの原因になることも。
転勤などで引越しする際も、猫が住める物件は非常に少ないのが現状です。
一人暮らしで猫を飼う方の中には、
- リモートで仕事ができる会社に転職
- フリーランスに転向
- 猫好き同士の婚活パーティーに参加する
など、仕事もプライベートも猫ファーストの生活を送っている人もいます。
また、病気や事故などで自分に何かあったときに「誰に猫のお世話を頼むか」など、想定しておくことも大切ですね。
飼い主
筆者は、猫とずっと一緒にいるために、会社員からフリーランスに転向しました!
猫が寂しいときに見せるサイン
猫は、不安な気持ちから寂しさと感じるとき、行動や仕草で飼い主さんに見せるサインがあります。
いつもと鳴き方が違う
猫の鳴き声がいつもと違うと感じたら、猫が寂しいと感じているサインかもしれません。
短く「クルルッ」と鳴く
・・・「かまって」「こっちに来て」
遠吠えのように「ワオーン」と大きな声で鳴く
・・・「はやくこっちに来て!」
猫が普段よりも大きな声で鳴く時は、より強い感情で飼い主さんにかまってほしいときのサインなのだそうです。
また、猫が大きな声で鳴いて寂しさをアピールするのは、飼い主さんを信頼している証拠でもあります。
このようなサインが見られたら、猫の愛情に応えるように、たくさん甘やかしてあげてくださいね。
飼い主を気にしながらわざとイタズラをする
飼い主さんの目の前でわざとものを落としたり、飼い主さんを気にしながらわざとイタズラをすることはありませんか?
単純にイタズラが楽しかったり、興味本位でイタズラしたりすることもありますが、飼い主さんが反応してくれるのを期待してやっていることも。
イタズラの最中にかまってしまうと、「これをしたらかまってもらえる!」と学習し、イタズラを繰り返してしまうこともあるため、少し落ち着いたタイミングでかまってあげましょう。
膝に乗ってくる
猫が飼い主さんの膝に乗ってくるのは、甘えモードの証拠。
あたたかく、大好きな飼い主さんのにおいがする場所でリラックスしたいときに見せる行動です。
猫が飼い主さんを見上げて、じっと見つめてくるときは「こっちを見て!」とアピールしているのかもしれません。
飼い主
冬は寒いから、とくに膝の上に乗ってくるよね!
毛布や飼い主さんにふみふみする
飼い主さんの洋服や布団などの柔らかい部分を、猫が前足でふみふみする姿を見たことありませんか?
子猫の場合は、母猫のお腹をふみふみして母乳を出すための行動ですが、成猫の場合は、飼い主さんを信頼して甘えているサインと言われています。
猫がふみふみしているときは、邪魔せずそっと撫でてあげましょう。
帰宅時にお出迎えする
飼い主さんが仕事などで長時間お留守番したときに、猫が玄関にお出迎えしてくれることもありますよね。
この行動は、ごはんなどの欲求があるときにも見せる行動ですが、大好きな飼い主さんに早く会いたい気持ちの表れでもあるんだとか。
猫がお出迎えしてくれたときは、撫でたり遊んだりしてたくさんスキンシップをとってあげてくださいね。
一人暮らしでも猫を幸せにする方法
飼い主さんの責任と愛情、工夫次第では、一人暮らしでも猫は幸せに暮らすことができるでしょう。
最後に、一人暮らしでもかわいそうにならない猫の飼い方についてご紹介します。
適度な距離感を保つ
猫と一緒にいると、可愛くてつい甘やかしてしまうこともありますよね。
しかし、日常的に甘やかしてしまうと、飼い主さんがいないときに猫が不安を抱えやすくなることも。
飼い主さんの在宅中はベタベタしすぎないように心がけ、適度な距離感を保ちましょう。
適度な距離感ってどのくらい?
- 干渉しすぎない
- 過剰に声をかけない
- ときには無視することも大切
毎日コミュニケーションを取る時間を作る
構いすぎないことも大切ですが、猫の欲求を無視すると、不安な気持ちをさらに助長してしまうことも。
猫の不安な気持ちを放置してしまうと「分離不安症」を引き起こし、飼い主さんと離れることに強いストレスを感じ、粗相などの問題行動につながります。
毎日、10〜20分程度を、遊んだり撫でたりして猫とのコミュニケーションタイムを設けましょう。
2匹一緒に飼う
猫を2匹一緒に飼うことで、飼い主さんがいないときに一緒に遊んだり、寄り添ったりして孤独を緩和する効果が期待できます。
実際に、我が家では2匹目の弟猫が来たことで、お姉ちゃん猫の噛み癖やイタズラなどの問題行動が改善されました。
ただし、先住猫と後輩猫の歳が離れていたり、オス同士だったりすると、返ってストレスの原因になるので要注意。
2匹一緒に飼う場合は、
- 兄弟同士
- 親子
- 子猫同士
- 性格や性別の相性
など、猫同士の相性を考慮したうえで迎えましょう。
猫の多頭飼いについては、筆者の体験談も交え、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
猫グッズで快適な環境を作る
自宅でお留守番する猫ちゃんが、飼い主さんがいないときでも快適に過ごせるように、お留守番を助けてくれる猫グッズを取り入れることも大切です。
一人暮らしで猫を飼う場合に、おすすめの猫グッズは以下の通りです。
- 自動給餌器
- 自動給水機
- システムトイレ
- ひとり遊びできるおもちゃ
- キャットタワー
- スマホで様子を確認できる遠隔カメラ など
また、猫は上下運動を好む動物なので、キャットタワーやキャットウォークなどで自由に動けるアイテムを設置するとよいでしょう。
狭い部屋でも運動不足解消になりますし、外的から襲われる心配のない高い場所は猫にとって快適な場所です。
猫のお留守番を助けてくれるはずですよ!
まとめ
飼い主さんの責任や愛情、工夫次第では、一人暮らしでも猫は幸せに暮らすことができるでしょう。
ただし、猫ちゃんの中には、孤独な環境に弱くひとりでいることに強い不安を感じてしまう子もいます。
猫にとって過ごしやすい環境づくりを心がけ、お留守番中も快適に過ごせるように工夫してあげることが大切です。
自宅にいるときは、スキンシップタイムを設け、愛猫との時間を大切に過ごしてあげてくださいね。
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– キャトヘルスアドバイザー
– 猫の健康管理インストラクター
– 保護猫歴10年
– 2匹の保護猫と暮らす
猫と飼い主さんにとって快適な暮らし、愛猫といつまでも楽しく暮らすための知識を得るサポートをします。